ウィリアム・ウェグマン(著)
今さらウェグマンでもないのだが、ちょっと前にオアゾの丸善の洋書バーゲンで【William Wegman: Polaroids】という写真集を見つけたので購入した。 ウィリアム・ウェグマンは、70年代の後半から2000年あたりにかけて、20×24インチという大型ポラロイドで、愛犬のワイマラナーに洋服を着せて撮った一連のシリーズで一躍名を馳せた現代アートの人気作家だ。 80年代なかばの池袋西武の広告で、「行け袋。」というキャッチでゴールデン・レトリーバーが黒いタートルネックセーターを着ているポスターがあって、これなんかかなり影響をうけた口だなと、当時は思ったものだ。(ちょっと古すぎ?) いま考えると、ウェグマンはまさに「強迫的擬人観念愛好者」の嚆矢、イヌ・コスプレの元祖みたいな人だ。 個人的には、自分のワードローブのセーターと同じスカンジナビア製セーターを愛犬のマン・レイが着てる作品があるので、ウェグマンにはとても親近感を抱いていた。 このウェグマン、写真はもちろん、絵画、ドローイングも捨てがたいが、映像も実に味わい深い。 写真もムービーもわれわれが真似ると単なるコスプレで終わってしまうが、ウェグマンならアートに昇華させる。破綻しそうでしないギリギリのところに見ごたえを感じる。 ビデオ作品は、本人のサイトやYouTubeにアップされているのでぜひチェックしてほしい。 ※強迫的擬人観念愛好者:ジョン・S・ケネディとかいうイギリスの動物行動学者が言っている、とスティーブン・ブディアンスキー著「犬の科学」に記述がある。 |
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