犬の科学・レビュー




犬の科学


「 犬の科学」表紙

スティーブン・ブディアンスキー(著)
渡植貞一郎(訳)
¥2,520

ほんとうの性格・行動・歴史を知る

犬をこよなく愛する作家にして、ジャーナリストかつ科学者のスティーブン・ブディアンスキーによる「 犬の科学」。
遺伝学、古生物学、生物工学、認知科学、神経解剖学の最新の知見を駆使して、犬と人との関係が語られます。
犬はどこから来て、いかに人間の家庭にたどりついたのか、そしてなぜ彼らはあのように振る舞うのかが、これまでの常識を覆しながら科学的に明かされます。

チャールズ・ダーウィンやコンラート・ローレンツのような権威のある学者でさえ、狼とジャッカルが混血して犬の祖先になったに違いないと信じた。しかし、DNA鑑定の結果は、かの偉大な学者たちの見解を支持しなかった。
「第2章 犬がペットになるまで」より

もちろん著者は、科学こそが万能だとは思ってはいません。犬を賛美する心の要素には科学のおよばないものがあることも知っています。
あまりにも身近にいて、調査研究の対象として、過去には科学の分野が注意を払うことのなかった犬。たぶんこれが真実だと思える犬の世界に誘ってくれる、愛犬家の座右の書にふさわしい良書です。

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